全ては感情からはじまる

感情活用研究家(EQ実践家)三森朋宏が、アレコレ感じたことを感じるままにお伝えします

教育もビジネスも根っこはアートだ

感情の科学(EQ:Emotional Intelligence、感情知能)や社会的情緒性の教育(Social Emotional Learning)などを研究していて最近特に思うことは、「教育に重要なのはアートだ」と言うこと。
 
人生は選択の連続です。
その選択の時に、一つの見方しか知らないと選択肢が限定される。
「他に方法はない、選択肢はない」と凝り固まった自分の思い込みは、視野を狭め選択肢が限定されるだけでなく、自分を追い込んだり、生きにくさを招いたり、出口のない苦悩を招く。
広い視野を持ち可能性を広げるには、好奇心と想像力が必要です。
 
しかし、今の学校教育はどうだろう?
予め解っている答えの解き方を覚えるばかりで、答えに辿り着くプロセスが複数あるような問題の解き方さえも画一的になっている。
 
このような教育を受けて育つことで、好奇心や想像力は養われるだろうか?
答え探し思考が養われるだけで、「正しい答えのない課題や問題」に想像力を働かせて挑む力は養われないのではないだろうか?
 
答え探し思考なんて、社会に出たら殆ど役に立たない。上司や地位が高い人に媚びへつらう「忖度」くらいにしか使えないからだ。
 
不確実な未来には、新たな答えや方法を見つける想像力が、欠かせない。
解決のヒントや情報を集める好奇心も重要。
 
子供の頃から好奇心旺盛で、想像力に富む人たちもいる。しかし、こうした人たちは、試験勉強に向かず平均点が取れずマイノリティとして扱われる。マイノリティの子供たちは、一方は、それでも周囲の理解を得て成長し、ベンチャー企業を立ち上げたりする。一方は生きにくさを感じて自己肯定感を失う。
本当は才能豊かな子供たちであるのに、社会が活かし方を知らないのも現実だろう。
 
今、多くの企業では、イノベーション人材の育成に頭を悩ませている。
一昔前は、「若い人は、頭が柔らかく柔軟な思考で、発想が豊か」などと言われたが、画一的な教育を行った影響で、若いからといって柔軟だったり、発想が豊かだったりはしない。
会社に飼い慣らされた中堅やベテランも想像力や好奇心が乏しく、一定の思考回路から抜け出せない。
結局、イノベーションを起こせる人材が出てこないし、生まれないのだ。
 
私は、永く新卒採用者の新入社員研修に携わってきたが、配属後に職場で活躍できるかどうかは、この差が大きい。想像力があり、好奇心旺盛なほど伸びる。
そうした新入社員は、特に大手になればなるほど少なく新卒採用者の10%程度だろう。
 
こうした能力を養うためには、予め答えが用意された問題を解くような試験対策の勉強は全く意味がない。それよりも音楽、美術、演劇、ダンス、工芸品など芸術やアートと言われるものに触れ、想像力や好奇心を養うことが大切だ。スポーツでも良いだろう優れた選手のプレーは、まさに芸術だ。
 
芸術に触れることで、感性を磨き、思いに触れ、感情に触れ、自然の一部である自分(命)に触れる。刺激を受けて想像力と好奇心が養われる。
 
全ての新入社員や学生に知ってほしい。今はアイディアがビジネスの勝敗を左右する時代。受験勉強や型にはまった採用対策だけでは、社会で活躍できる人財にはなれない。妄想で良いから、想像力を鍛えてほしい。
 
こうした芸術アートに触れることの重要性は、以下のような本がベストセラーになっていることからも伺える。
 
「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」(光文社新書)」
 
また、日本では、この4月に「芸術思考学会」が発足し、教育やビジネスにおける芸術アートの重要性の研究が本格的にスタートした。